木質ペレットの燃料としての特性

 木質ペレットの燃料としての利点には次のようなものがあります。
●カーボンニュートラルで、燃焼によっても化石燃料のように大気中の二酸化炭素を増加させることはなく、クリーンで環境にやさしいエネルギー。
●乾燥した小さな円筒形であるため燃焼機器への自動供給や、細かい温度調節が可能で、石油と同等の使いやすさを持つ。
●チップ燃料に比べてかさ密度(容積当たりの重量)は湿潤チップの2倍以上、エネルギー密度(容積当たりの発熱量)は3倍以上であり(表2-3を参照)、輸送効率もよく、貯蔵のスペースも少なくて済む。
●含水率は概ね10%以下なので、着火性や燃焼性がよく灰分や一酸化炭素などの放出も少ない。
表2-3 木質燃料と石油燃料の燃料特性
 一方、水や湿気には弱いという欠点を持っています。また灯油や重油と比較すると、単位体積当たりの低位発熱量は石油燃料の1/3と低く、灰を回収する必要がある等のわずらわしさもあります。
 燃料の発熱量には、燃焼によって発生した総熱量を意味する高位発熱量と、それから水分蒸発に要した熱量(水蒸気の凝縮潜熱×水分量)を差し引いた低位発熱量とがあります。実用的に重要なのは、熱として実際に利用できる低位発熱量です。本質燃料は必ず水分を 含み、燃料の種類によっても含水率が大きく異なります。同じ重量であっても含水率の低い木質ペレットは、含水率の高い薪やチップ燃料に比べて可燃成分の割合が高いため、高い発熱量を得ることができます(図2-10)。
図2-10 木質燃料の含水率と発熱量との関係

PAGE TOP