木質バイオマスにおけるペレット
私達は遠い音から木材を燃やして調理し、暖をとり、明かりを得てきました。木質バイオマスのエネルギー利用を歴史的な展開および加工の度合いに従って類別すると表1-1のようになります。これらのうち、転換型は現在までのところ、商用の段階には至っていません。在来型と改良型の特徴を比べると次のようなことが言えます(図1-1)。
【薪】
最も古くから利用されてきた本質バイオマスで、含水率が約25%以下であれば最新型のストーブやボイラーで快適に燃やすことができます。 ただ燃料装置への燃料の投入が自動化しにくく、燃料のサイズが大きいために細かい温度調節が難しいなどの不利な点があります。
【木質チップ】
燃料の補給を行うには、細かく砕いておく必要がありますが、木質チッ通常長さ・幅20mm程度以下、厚さ10mm以下であり、こうした要求に応えることができます。ただ、スムーズな搬送と良好な燃焼を実現するには、サイズが揃っていて、含水率が低いことが求められますが、通常のチップはサイズが不揃いなうえに、含水率にも相当なばらつきがあるので、家庭用ストーブのような小型の燃焼機器には適していません。
【木質ペレット】
木質ペレットは、直径6~8mm、長さ5~40mmの円筒形で小さく揃った形状をしています。これくらいのサイズですと小型のボイラーやストーブでも自動供給ができますし、細かい温度調節も可能になります。また、含水率も10%以下になっているので燃焼効率のよい木質燃料と言えます。木質ペレットに加工することによって、サイズの標準化と低含水率が達成されました。木質燃料は、薪→木質チップ→木質ペレットという順序でグレードアップしたと見ることができます。